ドジャース戦の中継に「iPhone 18 Pro Max」14台を投入 アップルが明かす舞台裏
一昨日
9月18日の金曜日、ロサンゼルスのドジャー・スタジアムは野球観戦にうってつけの美しい夜を迎えた。そして、自宅で試合を見ていた視聴者が目にした映像の一部は、ポケットに収まるスマートフォンから届けられていた。
そのスマートフォンとは「iPhone 18 Pro Max」。同日に発売されたばかりの新モデルだ。Appleの最新iPhoneは、物理的な絞り羽根や新しい撮影モードなど、動画撮影機能が強化されている。ロサンゼルス・ドジャース対サンフランシスコ・ジャイアンツ戦では、その実力が実際の中継で披露された。試合を撮影した30台のカメラのうち、14台がiPhone 18 Pro Maxだった。
数台のiPhone 18 Pro Maxが特注の保護クッションに収められていた。猛スピードでファウルボールが当たっても無事ですむだろうと期待してのことだ
試合前、Appleは筆者を含む報道関係者をドジャー・スタジアムに招き、「Apple TV」で放送される今季最後の「フライデーナイト ベースボール」の撮影設備を公開した。スタンドからグラウンドに降りると、すぐに最初のiPhoneが目に入った。ダッグアウトのすぐ内側で三脚に固定され、フィールドに向けられていた。一般発売されたのが米国時間9月18日朝だったことを考えれば、三脚への取り付けに使われていたケースに「iPhone 17 Pro Max」と書かれていたのも無理はない。
プレートの後ろに3台のiPhone 18 Pro Maxが配置されていた。両側に2台が保護パッドに収められ、1台は球速測定カメラの上に置かれていた
見学はホームプレート裏へと続いた。そこでは、特注の厚いクッションにiPhoneが埋め込まれ、バックネット部分に設置されていたほか、ピッチクロック用カメラの上にも置かれていた。そのほか、ビジターチームのダッグアウト、右翼のファウルポール、両チームのブルペンからフィールドに向けた位置にも配置されていた。
右中間のフェンス上には、ジンバルに載せた1台もあった。「the robo」の愛称で呼ばれ、中継センターから手動で操作する。外野手がフェンス際まで駆け込み、ホームラン級の打球を捕ろうと手を伸ばす場面を捉えるためのものだ。さらに1台はスタンド内を移動し、試合中のファンのリアクションをライブで撮影した。
Appleは5月、メジャーリーグサッカー(MLS)の試合で、iPhoneを使った初のライブ中継を実施している。ただし、その際に使われた15台のiPhone 17 Pro Maxのうち約半数は、大型のプロ向け望遠レンズに取り付けられていた。今回のドジャー・スタジアムでは、すべてのiPhone 18 Pro Maxが本体のカメラだけで撮影している。Apple Sportsでコンテンツとブランド開発を担当するディレクターのDylan Ashbrook氏によると、これには上位モデルの動画撮影能力の進化を示す狙いがあるという。野球のナイトゲームは、明るいうちに始まり、最後はスタジアムの照明だけになるため、撮影条件が大きく変化する難しい環境でもある。
「新しい48MP Fusionメインカメラによって、動画撮影の自由度はさらに高まった。メインカメラの可変絞りも、カメラ側で露出を調整するための新たな手段になる。試合中に明るさが変わっても、映像の見え方をより細かくコントロールできる」とAshbrook氏は述べた。
Appleは、試合を撮影した残り16台のカメラについて詳細を明らかにしていないが、おそらく強力な望遠レンズを備えた一般的な放送用カメラで、プレーを大きく映す役割を担っていたのだろう。一方、iPhoneは、そうした大型カメラでは難しいアングルを撮影するために採用された。しかも14台のiPhone 18 Pro Maxのうち9台は、中継センターへライブ映像を送るためのケーブルにつながれていなかった。試合の最中に、5Gを使ってワイヤレスで映像を送信していたのだ。
5台のiPhoneは光ファイバーケーブルで中継センターに映像を送ったが、残る9台は米通信大手T-Mobileが試合前に構築したプライベート5Gネットワークを使用した。Appleは事前にネットワークをテストし、遅延は発生しないとの確信を持っていた。理論上は、スタジアム内にある14台のiPhoneのどれにでも、いつでも映像を切り替えられる。
中継映像を送るための太いケーブルが不要になったことで、Appleはより多くの場所にiPhoneを設置できるようになった。ホームプレート裏では、MLBの安全基準を満たした特注のバックネット用クッションに、iPhone 18 Pro Maxを差し込む小さなスロットを設けるだけで済んだ。配線のために設備全体を大がかりに作り直す必要はない。外野フェンス上のジンバルも、ケーブルがないことで360度自由に動かせるようになった。
これは、今回の試合で使われたAppleの設備の大半が一時的なものであることも意味する。グラウンドを案内していたAppleの担当者に、なぜ左翼のファウルポールにはiPhoneを設置しなかったのか尋ねたところ、次の試合では簡単に配置を変更できるとの説明があった。外野フェンス上にジンバル付きのiPhoneをさらに増やすことも可能で、Appleは特にこの使い方に期待しているという。
ワイヤレス化には弱点もある。映像を撮影している間、iPhoneを充電ケーブルにつないでおけないことだ。動画撮影は一般的にバッテリーを大きく消費する。今回のiPhone 18 Pro Maxは4Kで撮影し、中継センター側で1080pに縮小していたうえ、映像を5Gで中継センターへ送信していたため、筆者は1試合を通してバッテリーが持つのか気になった。近年のルール変更で試合時間は短くなったが(MLB.comによれば2025年の平均試合時間は約2時間40分)、動画を連続撮影する時間としてはかなり長い。
しかし、Appleに尋ねても心配している様子はなかった。iPhone 18 Pro Maxなら、試合終了まで問題なく持つと確信していた。これは同時に、動画撮影中に端末が過熱しないという自信の表れでもある。9月18日のロサンゼルスでは、最高気温が約28度に達した。
AppleがiPhone 18 Pro Maxのバッテリー切れを心配しないのも、おそらく妥当だ。同社はiPhoneの正確なバッテリー容量を公表していないが、最新かつ最大のモデルは1回のフル充電で最大30時間使用できるとしている。米CNETのコンテンツディレクターであるPatrick Holland記者がレビューした際には、通常の使い方でバッテリーが0%になるまで約1日半持った。より負荷の高い使い方をした日でも、午前0時直前の時点で14%残っていた。
筆者もApple TVで試合中継の一部を見た。中継の大半では、投手の肩越しに打者を映すアングルや、スタンド側から重要なプレーをズームで捉える映像など、視聴者になじみのある構図が使われていた。こうした映像は従来型のカメラで撮影されたものと思われる。一方で、ところどころにiPhoneで撮影した映像も差し込まれていた。
その中には、試合に集中する選手や投手をグラウンドと同じ高さから捉えた映像もあった。しかし、最も長く画面に登場したのは、スタンド内を動き回りながらファンのリアルな観戦体験を映したiPhoneだ。自宅で見る視聴者にとっては、ドジャーブルーを身にまとった陽気なファンに囲まれ、自分もそこに座りたいと思うような座席から試合を見る、新鮮な視点になっていた。
この記事は海外Ziff Davis発の 記事 を4Xが日本向けに編集したものです。
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