「世界最古の平和条約」の一部が刻まれた粘土板がトルコで出土、紀元前から難民の処遇が考慮されていた
44 分前
トルコ文化観光省が2026年9月21日、世界最古の平和条約として知られる「 エジプト・ヒッタイト平和条約(カデシュ条約) 」の一部が刻まれた粘土板が、トルコ中北部にある ハットゥシャ遺跡 から出土したと発表しました。
ハットゥシャ遺跡はトルコの首都アンカラから140~150kmほど東に位置する、標高約1000mの丘陵地帯にある ヒッタイト王国 の遺跡です。ヒッタイト王国は紀元前17~13世紀に栄えた王国で、紀元前1285年頃には現在のシリアにある カデシュ で エジプト第19王朝 と交戦しました。これは カデシュの戦い と呼ばれ、軍事記録に残された史上初の戦争とされています。
声明によると、考古学者らのチームはハットゥシャ遺跡での発掘調査で見つかった 楔形文字 が刻まれた粘土板について、約1年間にわたり調査を実施したとのこと。その結果、粘土板に記されていた文章がエジプト・ヒッタイト平和条約の一部であることが判明しました。
エジプト・ヒッタイト平和条約は、ヒッタイト王国の ハットゥシリ3世 とエジプト第19王朝の ラムセス2世 の間で、カデシュの戦いから16年後に結ばれた平和条約です。人類史上最古の書面に記録された平和条約であり、 エジプト文字 と楔形文字それぞれで記された複製が2通り作成されています。
以下が、今回発見された粘土板の写真です。
今回発見された粘土板には、エジプト・ヒッタイト平和条約の第12条~20条の一部が含まれており、戦争によって難民化した両国の住民の処遇について記されています。一部に判読不能な箇所があるものの、判読可能な部分には人々の住居の破壊を防ぐ規定も盛り込まれているとのこと。
他にもエジプト・ヒッタイト平和条約には、難民への処罰を明確に禁じる文言が盛り込まれています。トルコのメフメト・ヌリ・エルソイ文化観光大臣は、「これは、人間の生命と尊厳を守るという私たちの責任を改めて思い起こさせるものです」「私たちはパレスチナの兄弟姉妹をはじめ、すべての人々が安全かつ平和に、そして安穏に生きられる未来を願っています」とコメントしました。
なお、エジプト・ヒッタイト平和条約は世界最古の平和条約として名高く、アメリカ・ニューヨークの国連本部ビル安全保障理事会会議場入口近くには、粘土板の銅製レプリカが掲げられています。国連はエジプト・ヒッタイト平和条約について、「この条約は永遠の友好、永続的な平和、領土保全、不可侵、犯罪人引渡し、相互援助を誓約するものです」と説明しています。
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