会社から支給された通勤定期券を、妻が「休日は誰も使わないならもったいない」と利用しています。家族であれば、通勤定期を貸し借りしても問題ないのでしょうか?(ファイナンシャルフィールド)
60 分前

会社から支給された通勤定期券を平日の通勤に使い、休日は家族が買い物などに使っているという家庭もあるかもしれません。「休日は使わないのだから、家族が使っても問題ないのでは」と考える人もいるでしょう。
しかし、一般的な記名式の通勤定期券は、記名された本人が使うことを前提としています。家族だからといって自由に貸し借りできるわけではありません。
本記事では、妻が夫名義の通勤定期券を使った場合にどうなるのか、不正使用と判断された場合の負担も含めて解説します。
一般的な通勤定期券は「記名式」です。記名式とは、定期券に登録された本人が利用する方式を指します。
例えば、JR東日本の旅客営業規則では、定期乗車券を記名人以外が使用した場合、その定期券を無効として回収すると定めています。つまり、夫名義の記名式定期券を妻が使うことは、原則として認められていません。
夫婦や親子であっても同様です。重要なのは家族か他人かではなく、「定期券に記名された本人が使っているか」という点です。
また、「本人が使わない休日だけ」「一度だけ」といった場合でも、本人以外が使ってよいことにはなりません。妻が休日に電車を利用するのであれば、自分の交通系ICカードや切符などを使って運賃を支払いましょう。
なお、交通事業者や定期券の種類によって利用条件が異なる場合があります。詳細については、利用する交通事業者の規則を確認してください。
家族の定期券を借りて使用したことが発覚した場合、その日に乗車した区間の運賃だけを支払えば済むとは限りません。
例えばJR東日本では、一定の不正使用について、定期券の効力が発生した日から発覚した日まで、券面に表示された区間を毎日1往復したものとして普通旅客運賃を計算します。さらに、その2倍に相当する増運賃を加えて収受すると定めています。
仮に片道500円の区間で、定期券の利用開始から30日後に不正使用が発覚したとしましょう。単純計算すると、普通運賃相当額は「500円×2回×30日=3万円」です。さらに、その2倍となる6万円の増運賃が加われば、合計9万円になります。
実際の請求額や取り扱いは、利用状況や交通事業者の規則などによって異なります。それでも「1回借りただけだから、数百円程度を払えばよい」とは限らない点には注意が必要です。
交通費を節約するつもりでも、大きな負担につながる可能性があります。すでに家族間で定期券を貸し借りしている場合は共有をやめ、それぞれが適切な乗車券を使いましょう。
注意したいのは、「通勤定期券だから休日は使えない」というわけではない点です。
一般的な通勤定期券では、記名された本人が有効期間内に対象区間を利用するのであれば、休日だからという理由だけで鉄道会社のルールに反するわけではありません。
例えば、夫本人が休日に定期区間内の駅まで買い物に出掛ける場合と、妻が夫名義の定期券を借りて出掛ける場合では扱いが異なります。前者は記名人本人による利用ですが、後者は記名人以外による利用です。
ただし、会社から定期券そのものを貸与されているなど、勤務先が独自のルールを設けている場合も考えられます。会社から支給された定期券を私用で使ってよいか分からない場合は、就業規則や通勤手当に関する社内規程も確認しておきましょう。
一般的な記名式の通勤定期券は、記名された本人が利用するものです。「休日は使わないから」「家族だから」といった理由で貸しても、本人以外による利用であることに変わりはありません。
不正使用と判断されれば、定期券が無効になるだけでなく、高額な運賃を請求される可能性もあります。
一方、記名された本人が休日に利用するケースとは分けて考える必要があります。会社から支給された定期券の場合は、鉄道会社の利用条件だけでなく勤務先の規程も確認すると安心です。
休日に家族が電車を利用する場合は、自分の交通系ICカードや切符などを使い、通勤定期券は記名された本人だけが利用するようにしましょう。
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則 第2編 旅客営業 -第4章 乗車券類の効力 -第2節 乗車券の効力
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則 第2編 旅客営業 -第7章 乗車変更等の取扱い -第3節 旅客の特殊取扱 -第2款 乗車券類の無札及び無効
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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