相鉄のクセがスゴい8000系「都心直通と無縁」時代の独自進化 「相鉄ユーザーには当たり前」でも実はレアな特徴が満載(東洋経済オンライン)
58 分前

神奈川県の中央を地盤とする相模鉄道には相鉄本線(横浜―海老名間)、相鉄いずみ野線(二俣川―湘南台間)、そして相鉄新横浜線(西谷―新横浜間)の3つの路線がある。
東京都内に路線を持たないという点で、ほかの関東大手私鉄(東武鉄道・西武鉄道・京成電鉄・京浜急行電鉄・東急電鉄・小田急電鉄・京王電鉄・東京メトロ)と異なっている。
■いまでは都心にも相鉄車両の姿
2019年に羽沢横浜国大駅が開業してJR線と相互直通運転を開始。23年には新横浜駅まで延びて東急線とつながった。東急線を介して東京メトロや都営地下鉄、さらにその直通先まで路線ネットワークが拡大した。
神奈川県の中央を地盤とする相模鉄道には相鉄本線(横浜―海老名間)、相鉄いずみ野線(二俣川―湘南台間)、そして相鉄新横浜線(西谷―新横浜間)の3つの路線がある。
東京都内に路線を持たないという点で、ほかの関東大手私鉄(東武鉄道・西武鉄道・京成電鉄・京浜急行電鉄・東急電鉄・小田急電鉄・京王電鉄・東京メトロ)と異なっている。
■いまでは都心にも相鉄車両の姿
2019年に羽沢横浜国大駅が開業してJR線と相互直通運転を開始。23年には新横浜駅まで延びて東急線とつながった。東急線を介して東京メトロや都営地下鉄、さらにその直通先まで路線ネットワークが拡大した。
相鉄は乗り入れ先での運用に対応した新型車両を開発。いまでは都心直通を象徴する「ヨコハマネイビーブルー」の車体カラーをまとった車両を、東京都内だけでなく埼玉県に位置する駅でも目にするようになった。
一方、自社線内で完結していた頃の相鉄車両は、独自の進化を遂げていた。その伝統を引き継ぐのが「8000系」だ。毎日、通勤通学で相鉄線を利用する人には当たり前のことかもしれないが、ほかの鉄道会社の車両ではあまり見られない特徴を持っている。
【写真を見る】古きよき相鉄の伝統を受け継ぐ「8000系」を車両センターで独占取材。車輪の外側に付いたディスクブレーキや「直角カルダン駆動」、ボタンで開閉できる「自動窓」など、ほかの鉄道会社とは一味違うオリジナリティにあふれた特徴の数々
相鉄が大手私鉄として承認されたのは1990年5月31日。8000系はその年の12月25日にデビューした。いずみ野線延伸と沿線の不動産開発などを背景に相鉄の利用者数がピークを迎えようとしていた時期に重なる。
■「くの字」に尖ったデザイン
『相鉄グループ100年史』によると8000系は「21世紀にも通用する車両」をコンセプトに設計された。日立製作所が製造し、99年度にかけて10両編成13本が導入された。93年以降に並行して投入された東急車輛製造(現・総合車両製作所)による「9000系」は8000系と共通点が多い。
8000系の先頭部は正面に向かって左に非常扉を設けた左右非対称、横から見ると「くの字」に尖ったデザインとなっている。アルミ合金製で、車体幅は2.93m。デビュー当時のパンフレットは「この電車は、自由と新しさを感じる横浜のイメージにマッチするようデザインを一新しました。先頭部はシャープにカットし、大形ガラスを用いて開放感を出すと共に、極力シンプルにまとめ都会的イメージを持たせるよう考慮しました」と強調する。
登場時は下部中央に前照灯があったが、現在は上部の左右に移設された。赤と白を使った車体色は、のちにブルーとオレンジのラインの「グループカラー」へ変更。ヨコハマネイビーブルーになった8000系も1編成だけある。
【貴重な写真】現在はブルーとオレンジのラインが入った「グループカラー」の8000系。もともとは赤と白を使ったデザインで、前照灯も下部中央に並んでいた。もう見られないすでに引退した編成も
車内は、側面の窓を背にしたロングシートが基本だが、5号車と8号車はドア間中央の座席を線路と直角に2人がけ座席を向かい合わせにしたセミクロスシートとし、1両当たりの座席定員を6人分増やしている。
車内で特徴的なのはボタンを押すことで開閉する自動窓。相鉄は72年登場の「5100系」で自動窓を初導入し、当時は新造車両の標準装備となっていた。乗務員室には全窓を一括で制御できるボタンもある。
また横浜到着前に身だしなみを整えられるように設置されたという「車内の鏡」も相鉄ならではの特徴だ。
■相鉄の伝統を色濃く残す
相鉄ならではと言えば、乗客からは見えない足元、車輪の外側と内側に大きな特色がある。車輪の外側に見える円盤はディスクブレーキ。ほかの鉄道会社では車輪の内側にあるのが一般的だ。また「直角カルダン駆動方式」といい、車軸と直角に配置されたモーターが相鉄の伝統を色濃く残している。
【写真をもっと見る】かしわ台車両センターのピット線だからこそ、普段は見られない角度から特徴的なディスクブレーキや「直角カルダン駆動」をじっくり観察することができる。台車から取り外された8000系の輪軸も
運輸車両部車両センターの谷川友則業務区長は、外付けのディスクブレーキについて「ピットに入らなくてもメンテナンスができるメリットがあります」と話す。一方で直角カルダン駆動方式や自動窓などは部品点数が多くなることもあり、乗客の知らない裏側での苦労はそれなりにあるようだ。
谷川さんは1998年の入社。かしわ台車両センターから歩いて10分くらいのところに実家があり「電車は好きでしたが何系だとか相鉄の車両を意識したことはなく、家が近いから入社したような感じです」と振り返る。
「8000系は私が入社したころに増備されていた車両なので、いまだに新車のイメージがあります。モーターを整備する班にいたのですが、交流モーターの8000系はそれまでの手間がかかる直流モーターの車両に比べメンテナンスが格段に楽になりました。乗る場合はやはりクロスシートのある車両がいいですね」
【写真をすべて見る】古きよき相鉄の伝統を受け継ぐ「8000系」を車両センターで独占取材。車輪の外側に取り付けられたディスクブレーキや「直角カルダン駆動」、ボタンで開閉できる「自動窓」など、ほかの鉄道会社とは一味違うオリジナリティにあふれた特徴の数々
■新型車両にはないレアな特徴
相鉄では都心直通に伴い新型車両が次々と登場してきた。車内の鏡は18年に営業運転を開始した「20000系」で復活したものの、8000系・9000系以降の車両は外側ディスクブレーキや直角カルダン駆動、自動窓を採用していない。
2026年3月には相鉄線内のみを走るヨコハマネイビーブルーの「13000系」がデビューした。13本の編成があった8000系も現時点で6本を残すのみ。ヨコハマネイビーブルーの斬新なデザインの車両が直通先で目を引く一方、相鉄の“古きよき”ローカルな伝統を引き継ぐ車両は貴重な存在になりつつある。
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