「勉強しているのに成果が出ない」「エナドリが手放せない」—受験期の子ども、食事を見直す3つのヒント(東洋経済オンライン)
53 分前

「普通に話していたのに急に不機嫌になる」「ちょっと注意しただけで激しく逆ギレする」――思春期
の子どもの変化に戸惑う親は少なくありません。しかし、その原因は反抗期や性格の問題だけでは
ないかもしれません。管理栄養士・栄養カウンセラーの吉川圭美さんの著書『問題は「育て方」じゃなくて血糖値かも? 子どものイライラを改善する新しい食べ方』より一部を抜粋し、心理面や育て方ではなく「栄養不足」と「血糖値スパイク」の観点からイライラや集中力低下の原因を紐解きます。
「やる気がない」「すぐキレる」思春期の子ども、その不調は“食べ方”が原因かもしれない《管理栄養士が解説》
■頑張っているのに勉強の成果がなかなか出ない
(お悩み)一生懸命、勉強に取り組む子どもを応援したいです。食事でできることはありますか?
(アドバイス)血糖値の乱れによる集中力低下や、パフォーマンスを高めるための脳の材料不足かもしれません。まずは血糖値を安定させること。さらにオメガ3系脂肪酸とタンパク質で、脳のパフォーマンスを最大化させます。
小学校中学年になるとちらりと見えてくる中学受験、そして中学生や高校生になると定期テストや高校・大学受験など、思春期になると子どもたちはテストを受ける機会が増えてくるものです。
子どもの栄養状態がよくなることで成績が伸びた、食事を見直したら有名大学に合格した、という話は、医療の現場でのカウンセリングでよく耳にすることです。知ることへの好奇心、粘り強く問題を解く力、集中力の原点は日々の食事にあるといっても過言ではありません。
子どもが自分の思うように集中して勉強に取り組むには、「学んだ知識を効率よく脳にインプット」できる状態をつくることが第一です。その肝となるのが、脳の燃料である血糖値が安定しているかどうか。血糖値スパイクの有無が子どもの勉強に対する集中力や持続力に影響を与えます。
次に重要なのが、インプットした情報の「通り道」を整備することです。脳の約60%は脂質でできており、その質が思考のスピードを左右します。細胞の膜もまた脂質でできており、そのしなやかさが、情報の出し入れの効率に大きく関わります。
そこで積極的に摂りたいのが、青魚などに含まれるオメガ3系脂肪酸(DHA・EPA)です。オメガ3系脂肪酸を摂ることにより情報の処理能力や記憶の定着・呼び出しの効率が上がり、脳のキレをグッと高めてくれまです。
感情をコントロールする神経伝達物質の中でも、やる気や集中力に関わるドーパミンやノルアドレナリンはアミノ酸を原材料に、鉄やビタミンB群の助けを借りて脳内で合成されます。
ちなみに好奇心もビタミンB群が関係します。ある研究では、ビタミンB1を摂った子どもはそうでない子どもに対し、物事に関する興味、関心度が5倍以上も高いことがわかっています。さらに、タンパク質や鉄を摂っていない子どもと摂っている子どもとを比較した場合、摂っている子どもほど数学の成績が高いという研究結果もあります。
■やってみよう! 〜勉強の効率を上げるメニュー
①受験1〜2カ月前からは青魚を強化
脳細胞の膜を入れ替えるには時間がかかります。子どもがテストや受験の準備期間に入ったら、サバ、イワシ、アジなどの青魚を積極的に食べましょう。オメガ3系脂肪酸は熱に弱いので生で食べられるお刺身がベストです。調理がいらないので親も楽ちんです。
②テスト当日の朝食は卵、煮干し粉入りの具だくさんみそ汁
③タンパク質不足を感じるなら、ちくわや笹かまぼこをおやつに
●眠気や集中力低下対策として、甘い物は控えましょう。
●勉強の効率を上げるために、青魚やビタミンB群やタンパク質、鉄の多い赤身肉を積極的に食べましょう。
■勉強のためのエナジードリンクが手放せないのですが…
(お悩み)勉強中などにエナジードリンクをよく飲んでいます。やめるようにいっても反発するばかりです。
(アドバイス)カフェインは「元気を前借り」している状態。効果が失われると疲れを感じ、再びエナジードリンクに手が伸びることになります。そうならないよう鉄やタンパク質、ビタミンB群で身体のエネルギー「ATP」をつくる力をアップさせてエナジードリンクがいらない身体にシフト。
「元気になるから」とジュース感覚でエナジードリンクを飲む子どもが増えていますが、じつは活力を「前借り」しているだけの心配な行為でもあります。エナジードリンクの主成分であるカフェインは、脳内で眠気や疲労感を生み出す物質・アデノシンの受容体をブロックするはたらきがあります。
これは、疲れがなくなったわけではなく、脳の疲労センサーを物理的にまひさせているだけ。
カフェインの効果が失われれば、まひしていた疲労感がドッと押し寄せ、猛烈なだるさに襲われるため、再びドリンクでカバーしようと手が伸びるという負のループに陥ることになります。
もうひとつの大きな問題が、ドリンクに含まれる大量の糖質です。商品によりますが、多くが1缶にスティック砂糖10本分以上もの糖質が溶け込んでおり、これが血糖値を一気に押し上げ、血糖値スパイクを引き起こします。
その結果、カフェインがなくなったあとの疲労感に拍車をかけてしまうのです。そして、血糖値が下がることで甘い物がますます欲しくなります。
■「元気のもと」を自前でつくれる身体を目指す
そもそも身体が求める本物の「元気のもと」とは、糖質や脂質などから細胞内でつくり出されるエネルギー・ATPのことです。子どもがエナジードリンクを欲するのはワガママではなく「ATPが足りない」というサインかもしれません。
そこで見直したいのが、ATPを体内で効率的につくり出せる状態になっているかどうか。
ATPを体内でつくるためには、糖質や脂質のほか、タンパク質、鉄、ビタミンB群で身体が満たされているかがポイントとなります。ですが思春期の子どもたちは、タンパク質、鉄、ビタミンB群などの栄養素が成長に使われるため、不足傾向にあります。
さらには受験などのストレスが、ビタミンB群の消耗を加速させてしまいます。これでは、いくら糖質が満たされたとしても、ATPを順調につくることは難しくなってきます。
「エナジードリンクを飲むのをやめなさい」という前に、毎日の食事で栄養素を補い、自前で元気をつくれる状態になるようサポートしましょう。内側からエネルギーが湧き出るようになれば、気づいたときにはエナジードリンクは必要なくなっているはずです。
■やってみよう! 〜カフェインに頼らなくてもいい身体になる
①豚肉やレバーでビタミンB群と鉄を補給
エナジードリンク頼りの状態を卒業するには、ATPづくりに必要な栄養素を揃えることが先決。ビタミンB群が豊富な豚肉や、鉄が豊富に含まれるレバー、カツオなどを夕食のメインにしましょう。ATP合成が円滑になれば、カフェインに頼らなくても元気でいられる身体が手に入ります。
②塾に行く前にはいくつかの「小にぎり」を
夕方にエナジードリンクが欲しくなるのは、昼食からの空白時間が長く、血糖値が下がりやすくなっているのもひとつの理由です。塾に行く前の空腹感はお菓子でしのぐのではなく、小にぎりやゆで卵で満たす習慣をつけましょう。血糖値が安定することで、エナジードリンクに手が伸びにくくなります。
③食欲がない子どもはスープから
柔らかい肉もダメな場合は、具を入れず、スープのみで提供してみましょう。スープに溶け出したアミノ酸が弱った胃腸への負担を減らし、栄養素を身体に届けることができます。出汁をひいたみそ汁も◎。
● エナジードリンクを禁止するよりも、タンパク質や鉄、ビタミンB群を補給して細胞のATP合成力を見直します。
● ストレスで食欲が低下しているようなら、スープから始めましょう。
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