テスラが電動大型トラック「Semi」工場が本格稼働、年間5万台量産へ(ビジネス+IT)
50 分前

米テスラは2026年9月24日、ネバダ州スパークスに電動大型トラックSemiの専用工場を開所し、本格的な量産体制に入ったことを発表した。新工場は年間5万台の生産能力を備え、標準モデルで325マイル、長航続モデルで500マイルの走行に対応する。独自のメガチャージャーを利用して30分間で最大60パーセントの充電を行うことができ、長距離の商業物流における運用効率を高めている。
テスラが稼働させた新工場は、既存のギガファクトリー・ネバダに隣接する約170万平方フィートの施設である。同社は2017年にSemiのプロトタイプを発表し、2022年末からペプシコなど一部の顧客向けに初期生産車の納入を始めていたが、大規模な量産拠点の設立は今回が初めてとなる。実際の量産ラインからの出荷は2026年4月に始まっており、今回の開所式でその体制を公に披露した。 生産されるSemiは、総重量8万2000ポンドでの運用を想定して設計されている。
顧客の用途に合わせて、航続距離325マイルの標準モデルと、500マイルの長航続モデルの2種類を展開する。これまでのプロトタイプから技術的な刷新も行われ、バッテリーにはテスラが内製する4680セルを採用した。また、油圧式パワーステアリングを電動式に変更するなど、製造工程の効率化とメンテナンスの手間を省く構造を取り入れている。 動力性能においては、後輪の車軸に3つの独立したモーターを搭載し、最大出力は800キロワットに達する。
エネルギー消費率は1マイルあたり1.6から1.7キロワット時を達成した。北米運輸効率協議会による実証試験では、ペプシコが運用する車両が1日あたり1076マイルを走行した実績や、1回の充電で460マイルを無充電走行したデータも確認されており、既存のディーゼル車に代わる性能を示している。
充電インフラに関しては、最大出力1.2メガワットの専用システムであるメガチャージャーを展開する。これにより、およそ30分間でバッテリー容量の60パーセントを回復させることができる。テスラは年末までに主要な輸送ルートを中心に30カ所以上の充電ステーションを稼働させる計画を進めている。現在、ペプシコやDHLなどの初期顧客に加え、マイクロソフトなどが参画する企業連合による2500台規模の電動トラック調達で主要サプライヤー(プライマリーOEM)に選定されており、法人向け大型商用車市場への供給体制を整えている。
電動大型トラックSemiの量産化に関連して、テスラは複数企業でのフリート運用の実態と最新の運転支援技術の対応状況を明らかにした。試作段階から大手物流企業と実走テストを重ねており、高稼働や多シフト運行に対応できる実用性が検証されている。導入企業には初期テストに参加したペプシコをはじめ、DHL、ウォルマート、コストコ、Saia、WattEVなどが名を連ねる。さらに、マイクロソフトやペプシコが参画する企業連合ZET SCALEによる2500台規模の電動トラック一括発注や、スウェーデンのEinrideによるアマゾン向け500台の導入計画など、B2B市場での大口導入が進んでいる。
約200台の先行パイロット車両は累積1750万マイル以上を走行し、平均98パーセントの高い稼働率を記録した。北米運輸効率協議会の実証テストでは、ペプシコの車両が複数回の急速充電を挟み24時間で1076マイルを走破している。また、物流大手Saiaの拠点では昼間に460マイル走行した後、そのまま別ドライバーに交替して夜間の短距離配送に投入されるなど、ディーゼル車と同等の連続稼働が確認された。車両にはドライバーのスマートフォンと連動する機能が搭載され、シート位置や画面表示の設定が自動的に再現される。
これにより、複数人で車両を共有する際も準備時間を短縮できる。エンジンや多段トランスミッション、排ガス処理装置を持たないため整備の負担が少なく、ドライブユニットのオイル交換周期は25万マイル以上に設定されている。故障が発生した場合でも、約8割の事象において24時間以内に修理を完了し運用に復帰できる構造を採用した。
運転支援技術においては、テスラの乗用車で培われたカメラ主体のシステムを大型トラック向けに最適化して搭載している。乗用車ラインナップと同様の全周囲カメラやセンサースイートを標準装備し、周囲の認識能力を高めた。長距離輸送におけるドライバーの疲労軽減や事故防止を目的に、将来的には完全自動運転ソフトウェアの機能追加が計画されている。走行中の安全機構として、後輪に配置された3基の独立モーターを高速制御することで、雪道や急ブレーキ時にトレーラーが横滑りして折りたたまれるジャックナイフ現象を自動で検知し回避するシステムを組み込んだ。
将来的な拡張機能として、有人ドライバーが運転する先頭車両に無人の後続車が自動で追従する隊列走行技術も構想されており、幹線輸送の人件費や空気抵抗を削減する技術として開発が進められている。また、量産型車両では試作機の油圧式ステアリングを電動パワーステアリングに変更した。油漏れなどのトラブル要因を排除するとともに、自動運転制御や車線維持支援システムの制御精度を向上させている。
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