ANAのスーパーフライヤーズカードは「年間300万円」使わなくても残す価値あり!? 旅行好きには悩ましい 2028年以降の“新時代の最適解”とは(VAGUE)
38 分前

ANAが2028年4月から導入するスーパーフライヤーズカード(SFC)の新制度。その詳細が明らかになるにつれ、現在のSFC会員にとって悩ましいのが、「年間300万円を決済してSFC PLUSを維持するべきなのか」という問題です。
ANAは2026年9月29日の説明で、年間300万円以上を決済する「SFC PLUS(SFCプラス)」は現在のSFC会員の約4割、300万円未満の「SFC LITE(SFCライト)」は約6割になるとの試算を明らかにしました。つまり、現在の利用状況が続けば、SFC会員の過半数がSFCライトになる計算です。
ここで問題となるのが、300万円に届かない、つまりSFCプラスならば、SFCを持つ意味はなくなるのか?ということです。
私の考えを述べますと、その結論を急ぐ必要はないと思っています。ANA便を中心に利用するのであればSFCライトにも多くのメリットが残ることもはっきりしましたし、制度改正によって弱くなる部分をJALグローバルクラブ(JGC)やPriority Pass(プライオリティパス)で補う方法もあるからです。
ANAが2028年4月から導入するスーパーフライヤーズカード(SFC)の新制度。その詳細が明らかになるにつれ、現在のSFC会員にとって悩ましいのが、「年間300万円を決済してSFC PLUSを維持するべきなのか」という問題です。
ANAは2026年9月29日の説明で、年間300万円以上を決済する「SFC PLUS(SFCプラス)」は現在のSFC会員の約4割、300万円未満の「SFC LITE(SFCライト)」は約6割になるとの試算を明らかにしました。つまり、現在の利用状況が続けば、SFC会員の過半数がSFCライトになる計算です。
ここで問題となるのが、300万円に届かない、つまりSFCプラスならば、SFCを持つ意味はなくなるのか?ということです。
私の考えを述べますと、その結論を急ぐ必要はないと思っています。ANA便を中心に利用するのであればSFCライトにも多くのメリットが残ることもはっきりしましたし、制度改正によって弱くなる部分をJALグローバルクラブ(JGC)やPriority Pass(プライオリティパス)で補う方法もあるからです。
●SFCプラスとライトを分ける「年間300万円」
新制度が始まるのは、2028年4月1日です。
最初の判定期間は2026年12月16日から2027年12月15日まで。この1年間の対象ANAカードとANA Payの決済額が300万円以上ならSFCプラス、300万円未満ならSFCライトとなります。この判定は毎年行われ、家族カードの利用額も本会員の決済額に合算されます。
ただし、300万円に届かなくてもSFC会員資格そのものを失うわけではありません。
SFCライトであってもANAグループ運航便を利用する際の優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先受け取り、国内線座席指定の優先など、多くのサービスが残ります。
当初はSFCライトでは利用できないとされたANAラウンジについても、9月の見直しで条件付きで利用可能になりました。
国内線では混雑時を除いて利用でき、将来的にはライト向けの事前予約制度も導入されます。
ただし予約枠には限りがあり、一部の共用ラウンジ(中部、関西、熊本、宮崎)やANA便名以外のコードシェア便は対象外。予約なしの場合は当日に利用可否を確認することになります。国際線でもANAグループ運航便に搭乗する場合は、羽田、成田、ホノルルのANAラウンジを利用できます。
つまりANA便だけを見るなら、「プラスでなければSFCの意味がない」とまでは言えないのです。
むしろプラスとライトの決定的な違いとなるのが、スターアライアンスでの扱いです。
SFCプラスなら従来通りスターアライアンス・ゴールドですが、ライトはスターアライアンス・シルバーになってしまうからです。
これはユナイテッド航空、ルフトハンザ、シンガポール航空、タイ国際航空などスターアライアンス加盟航空会社での恩恵がなくなることを意味し、海外へ出掛けた際の影響はきわめて大きくなります。
ではそのためにSFCプラスを維持すべきなのでしょうか。ここで年間決済額300万円という数字を考えてみます。
それは月平均にすると25万円。もし、公共料金や日常の買い物、家族カード利用などをANAカードに集約し、無理なく年間300万円に達する人なら、SFCプラスを維持するのは容易でしょう。
一方、プラスのためだけに、他のカードで決済していた支払いまでをANAカードへ移すのであれば話は変わります。他のカードで得られるポイントやマイル、付帯サービスを失うマイナス面も考える必要があるからです。
●JGCとの「二刀流」という選択
そこで考えたいひとつの提案が、日本航空が提供する会員制度「JGC(JAL Global Club=JALグローバルクラブ)」との組み合わせです。
JGCを持っていれば、ワンワールド加盟航空会社を海外で利用するときにもJGCのサービスを利用できます。ANAはSFCライトとして維持し、ワンワールド側はJGCを使う。航空会社を使い分ける人には魅力のある組み合わせと言えます。
ただし、この方法には知っておくべき重要な条件があります。
現在、JGCへ新規入会するには、まず「JAL Life Statusプログラム」で1500 Life Statusポイント(LSP)以上を獲得する必要があります。1500LSPは「JGC Three Star」の基準であり、これを達成したうえで、CLUB-Aカード以上の対象となる「JALグローバルクラブ JALカード」を保有することで、JGC会員となることができます。
しかし、LSPは簡単に1500まで到達できるものではありません。
たとえばJAL国内線なら1搭乗につき5LSPです。単純に国内線搭乗だけで1,500LSPを獲得しようとすれば300搭乗に相当します。
国際線は1000区間マイルごとに5LSP。JALカードも2000ショッピングマイルにつき5LSPです。このほかJAL Payなど対象サービスでも積み上げられる制度となっています。
従って、すでにJGCを持っている人と、これからJGCを取ろうとする人では事情がまったく違うと言っていいでしょう。
既存JGC会員なら「SFC LITE+JGC」は有力な選択肢になりますが、SFCしか持っていない人が「SFC PLUSを維持したくないからJGCを取ろう」と考えても、“1500LSP”という高い壁があります。短期間で簡単に代替できる資格ではないのです。
●ラウンジだけならPriority Passという手もある
そこで、もうひとつ考えておきたいのがPriority Pass(プライオリティパス)の活用です。
SFC LITE会員にとって、スターアライアンス・ゴールドを失うことで困るのが「海外で航空会社ラウンジが使えなくなること」とするなら、プライオリティパスで補完できる場合があるということです。
プライオリティパスは航空会社やアライアンスとは関係なく、世界各地の対象ラウンジを利用できるサービスです。直接入会することもでき、2026年9月現在、最上位のPRESTIGEは年会費469米ドルで本人のラウンジ利用が無料、同伴者は1回35米ドルです。このほか、プライオリティパスが付帯するクレジットカードを持てば、無料利用回数や同伴者料金などはカードごとに異なるものの、その年会費は無料となります。
もちろんSFCプラスの完全な代替ではありません。プライオリティパスで利用できるラウンジは空港ごとに異なり、スターアライアンス・ゴールドで利用できる航空会社ラウンジと一致するとは限らないからです。
また混雑状況によって入室できないこともあると、規約に記載されています。
それでも「海外旅行で出発前にラウンジで休めれば十分」という人なら、年間300万円の決済条件を達成するより、プライオリティパスを用意する方が合理的と言えるかもしれません。
たとえばANA国内線中心の人なら、まずSFCライトのまま様子を見る選択があります。
優先チェックインや優先搭乗、手荷物優先などの優遇は残り、今回の見直しで国内線ANAラウンジも混雑時を除けば利用できます。プラスのためだけに無理に300万円を使う必要性は低くなったと言えるでしょう。
一方で、ANA国際線やスターアライアンス加盟航空会社を頻繁に使う人は事情が違います。
スターアライアンス・ゴールドの価値が大きく、仮に年間300万円を普段の生活費などで無理なく達成できるなら、SFCプラスを維持する意味は大きいと思います。
また、すでにJGCも持っている人なら、「SFCライト+JGC」という組み合わせが現実味を帯びてくるでしょう。ANA便ではLITEに残るサービスを利用し、ワンワールドではJGCを活用する。そしてスターアライアンス他社利用時のラウンジ不足をプライオリティパスで補う、という考え方です。
つまり、これは「SFC LITE+JGC+プライオリティパス」を組み合わせた“第3の選択肢”とも言えます。
もちろん、これはSFCプラスと同じサービスを提供するものではありません。しかし、航空会社を幅広く利用する人にとっては、年間300万円という決済条件に縛られず、かなり広い範囲をカバーできる組み合わせとなるのが、この選択肢のメリットになります。
●300万円を使うかではなく「300万円をANAに集める価値があるか」
今回の制度変更で大切なのは、決済額として「300万円使えるか、使えないか」という単純な二択で考えないことだと思います。
年間300万円の支出がある人でも、それをすべてANAカード・ANA Payへ集約することが最善とは限りません。他社カードのポイントやマイル、ホテルプログラムなどを活用している人なら、決済をANAへ集中させることで失うものも大きいはずです。
しかし、スターアライアンス加盟航空会社を頻繁に利用し、同行者と航空会社ラウンジを使う機会が多いなら、SFCプラスにはプライオリティパスでは代替しにくい大きな価値があります。
まず確認すべきは、自分がSFCで本当に使っているサービスは何なのかということです。ANA便の優先サービスなのか、国内線ANAラウンジなのか、それとも海外でのスターアライアンス・ゴールドなのか。そこが分かれば、答えはかなり見えてきます。
ANA便中心ならSFCライト。スターアライアンスを積極的に使うならSFCプラスを検討する。そして、すでにJGCを持っているならSFCライトとの二刀流。そしてラウンジ不足を補うことを優先するならプライオリティパスを活用する。
つまり、大事なのは2028年以降のSFCは、「300万円を使わなければ価値がなくなる」のではないということです。
そういった意味では、今回の制度変更を機に、SFCだけですべてをまかなうのではなく、自分の旅行スタイルに合わせて複数のサービスを組み合わせる時代になったと言えるのかもしれません。
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