投資家の自己評価と実際の投資知識には大きなギャップ、投資に関する教育の提供機会が必要=アムンディの投資家の意識と行動に関する調査(ウエルスアドバイザー)
49 分前

◆投資家の目的意識と目標達成の間に明確な隔たり
調査結果によると、「投資家」は退職後資金の42%を個人の貯蓄・運用資産でまかなうことを想定している。アジアでは、この割合が50%超と高くなっている。一方、退職後への備えを投資の主な目的として挙げた投資家は36%にとどまった。地域別にみると、欧州が34%と低く、アジアは40%と高く、日本はアジアの平均とほぼ同水準の39%だった。ただ、退職後資金の確保を投資目的とする投資家のうち、その目標を達成できることに強い自信がある人は23%で、1年前の26%から減少した。日本では目標を達成できることに「ある程度」または「非常に」自身がある人は34%にとどまり、アジア平均の71%を大きく下回った。これは、退職後への備えを重視する意識と、実際に退職後資金を確保できるという自信との間に、明確な隔たりがあることを示している。
この投資家の退職後の備えへの自信については、専門家のアドバイスを受けている投資家の半数が退職後資金を確保できることに強い自信を持っていると回答したが、これまで一度もアドバイスを受けたことがない人では強い自信を持っている人の割合は14%だった。専門家によるアドバイスが退職後資金の確保に対する投資家の自信に大きな違いをもたらしていることがわかる。
一方、「貯蓄者」の43%が今後12カ月以内に投資を始める意向を示している。特に、21~30歳の若い世代で62%に上昇する。ただ、39%は損失への不安から依然として投資に踏み出せないでいる。投資を始める意向は国によって大きな違いがあり、最も高いデンマークでは79%、次いでシンガポールの73%だったが、最も低いベルギーとドイツでは24%にとどまった。貯蓄者の過半数(52%)は不測の支出に備えるための予備資金として収入の6カ月分未満で十分だと考えているものの、実際には大半の人がその水準を上回る現金を保有していることも分かった。
◆日本は専門家のアドバイスを受ける比率が低い
金融リテラシーに関する調査では、投資家の自己評価と実際の投資知識との間に大きな隔たりがあることが明らかになった。たとえば、個人投資家の4人に1人は自身を「投資の初心者」と認識しているが、自らを投資の「専門家」と評価した人の70%が金融リテラシーに関する3つの基本的な質問全てに正しく回答できなかった。この傾向は、資産保有額の多い層で顕著になり、富裕層投資家は投資に対する自信がもっとも高い一方、金融リテラシーは最も低く、3問全てに正しく回答できた人は36%にとどまった。ただ、富裕層投資家は専門家によるアドバイスをもっとも積極的に利用しており、その割合は87%と一般の個人投資家の58%を大きく上回っている。
世界の投資家の61%は何らかの専門家のアドバイスを利用していると回答し、特に、中国は83%、インドが78%と高く、日本は37%、韓国は32%と専門家のアドバイスを受けている比率が低くなっている。日本の投資家は、投資や個人金融に関する知識に自信を持つと回答したのは18%で、アジア平均の36%を下回った。しかし、金融リテラシーに関する基本的な質問すべてに正答した日本の投資家は56%とアジア平均の43%を上回った。日本の投資家は金融知識への自信は低い一方で実際の正答率は高いという結果になった。
◆投資判断にAIの活用が進展
また、投資家が投資に関するアイデアや情報を得るためにAIやソーシャルメディアを積極的に活用している実態も明らかになった。特に、AIアシスタントを日常的に利用している人の割合は19%と前年の約4倍になった。投資家の10人に7人が投資判断の参考としてAIを利用した経験があり、うち59%がAIの提案に基づいて実際に行動し、90%がその結果に満足していると回答していることから、今後、AIの活動がますます活発になると考えられる。
そして、投資家の2人に1人(46%)がインフルエンサーを通じて投資情報を収集している。この傾向は、インド(68%)とブラジル(65%)で顕著で、フランス(28%)、スペイン(37%)、ドイツ(40%)など欧州諸国では相対的に低い。日本は32%とアジア(中国55%、韓国48%、タイ56%、シンガポール53%など)の国々の中でも低い割合だった。もっとも、こうした新たな情報源は、専門家によるアドバイスにとって代わるものではなく、投資家が自身の考えを確認したり、提案の妥当性を検証したりするための補完的な役割を果たしていることも確認されている。
アムンディのファニー・ヴルツ氏は調査結果を受けて、「資産運用業界には信頼の強化、特にデジタルチャネルを通じた金融教育へのアクセス向上、そしてシンプルで透明性が高く、対面とデジタルを組み合わせた利用しやすいソリューションの提供が求められている」と総括している。
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