湯河原サル集団“凶暴化”路上でけんか、襲われる被害も…「T1群」全頭捕獲できない訳(テレビ朝日系(ANN))
48 分前

道路に座って、近くを通る車を威嚇するような姿を見せているサル。神奈川の人気温泉地・湯河原に生息しているサルの群れです。湯河原町は、これまでもサルの被害に悩まされてきましたが、今、凶暴化したサルにかみつかれる男性も出て、救急車で搬送されるなど事態が深刻になっています。
1日午前6時過ぎ、廃屋の旅館に2頭のサルの姿がありました。さらに別のサルが、階段から降りてくる様子も見えます。
このサルの群れは、神奈川県の温泉地・湯河原町で問題となっている「T1群」。神奈川県が昨年度行った調査では、20頭が確認されています。
湯河原町のすぐ隣に位置する静岡県熱海市でも、サルの群れが次々と姿を現しました。中には、背中に子ザルを乗せて歩くサルの姿もありました。
通勤時間帯の道路に広がり、我が物顔で占拠するサルの群れ。
サルを避けながら走行していたバイク。対向車とあわや衝突するところでした。さらに、車が前から来ましたが、避けるどころか向かっていきました。
その後、サルの群れに異変が。急に路上でけんかが始まりました。
サルは車が来てもお構いなしで、けんかを続けました。
サルの群れは、こんな所にもいました。
斜面をよじ登り、柿の木へと近づくサル。色づいた柿だけを器用に選んで食べ、群れが去った後には皮の部分だけが落ちていました。
この事態に近隣住民は、次のように話します。
「団体でいるから、すごく怖い。威嚇してくるから、天気が良くてもジャンプ傘を持って。これは必需品で、持って歩いている」
「(Q.これはなんですか?)ハチジェット。目をバッと。かわいそうだけど、もし来たらそれで」
別の住民は、サルに応戦するため、玄関にロケット花火を常備。出かけるときには、常に持ち歩いていると言います。しかし…。
「効かない、全然。脅かそうと思うけど、効かないですね」
実際、取材中にも爆竹の音が響いてきました。爆竹を鳴らして、サルを撃退しているようです。
別のカメラが捉えた映像では、爆竹が鳴ってもサルは気にする素振りも見せません。さらに威嚇のためか、カーポートを大きく揺らしています。
人間の生活圏でやりたい放題のサルの群れ。農作物への被害だけではなく、サルに追いかけられる、威嚇されるなどの被害も相次いでいて、町に寄せられた被害件数は去年1年間で6054件。1日あたりおよそ16件起きている計算です。
今年8月に撮影された動画でも、温泉街を堂々と歩き回るサルの様子が捉えられ、先月には深刻な被害が。40代の男性が15頭ほどのサルの集団に襲われ、右手をかまれるなどけがをしたといいます。
T1群のサルが人にかみつくのは、初めてだということです。男性は救急車で病院に搬送されました。
凶暴化するサルに、住民たちは…。
「凶暴ですね、人に向かってくる」
「走ったり大声出さなければ追いかけてこないけど、ここらの年配の人は4人後ろから突き飛ばされたり」
「(Q.それは最近の話?)そうですね、ここ1〜2カ月です」
湯河原町議も、次のように話します。
湯河原町 上田尚彦町議
「いろんな被害の状況はあるが、かまれたというのは本当に初めて。いよいよ人に慣れすぎちゃって、さらに凶暴化しているんじゃないか」
一体なぜ、凶暴化しているのでしょうか。サルの生態に詳しい専門家は、次のように話します。
野生鳥獣対策連携センター 阿部豪氏
「住宅地周辺に入って時間経過が進んでいくと、人慣れという言い方をするんですが、人慣れが進行していく過程で、(人間とサルの)縄張りの逆転といいますか。その地域は、むしろ“サルの地域”であって、(サルが)自分たちの縄張りを歩く人間に対して攻撃性を示すようになる」
人との距離が近くなり、凶暴化するサルの群れ。
「かなり人里に近いところにいるだろうというのが想像されますので、おそらく空き家の中にいるのではと考えています」
去年、番組の取材班は、幼稚園を縦横無尽に走り回るサルの群れに遭遇。その後、追跡すると、「T1群」がすみかにしているとみられる“空き家”を特定。
今月1日も、すぐ近くにある別の“空き家”からサルが現れ、屋根の上で毛づくろい。しばらくすると、建物の中に戻っていきました。
人の生活圏の中を縄張りとする理由、それは…。
「(通常は)人間の生活圏にいることが危ないと感じるから(山へ)かえるわけであって、危ない場所じゃないという認識になると、わざわざ山にかえらないということはあり得るのかなと」
また、雨をしのぐこともできるため、“空き家”はサルにとって最高の環境だといいます。
湯河原町と熱海市の県境周辺には、多くの“空き家”があり、湯河原町の空き家率は10.4%と神奈川県内で最も高い数値です。
神奈川県と湯河原町は連携して、夕方、サルが“空き家”に戻らないように爆竹などで追い払いをしていますが、あまり効果が得られていないといいます。
年々“凶暴化”するT1群のサル。しかし、自治体は“捕獲が難しい”と言います。その理由とは?
湯河原のサルの被害が深刻になってきています。攻撃性の高い個体も出現しているということで注意が必要です。
湯河原町は去年7月、ニホンザルT1群の全頭捕獲を前提とした措置を求める意見書を神奈川県に提出しました。
その後、一部の加害性のある個体の捕獲に限り許可が出まして、実際に加害性のある個体1頭が捕獲されました。
やはり効果が限定的だということで、今年7月、地域住民の安全や基幹産業への影響を鑑みて、ニホンザルT1群の全頭捕獲を改めて神奈川県に要望として出しました。
実際に被害が出ている中で全頭捕獲に踏み切れない理由について、神奈川県の担当者は、「西湘地域の個体群が県のレッドデータブックで絶滅危惧種となっていて、T1群が最後の群れ」だといいます。
そのため、捕獲を進めていくと県が自ら絶滅させることになってしまうので、慎重に検討を進めているというお話でした。
そして、もしもサルに遭遇した場合は、まず目を合わせないこと。目を合わせることでサルが威嚇されたと勘違いをし、攻撃をしてきてしまうおそれがあるということです。
もう1つは、騒がずゆっくり距離を取ること。
こういった注意をホームページで呼びかけています。
(2026年10月2日放送分より)
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