パートの「ボーナス・退職金なし」なぜ? “説明求める権利”明示しない会社は過料10万円…10月施行“省令改正”のポイント(弁護士JPニュース)
51 分前

10月1日から改正パートタイム・有期雇用労働法施行規則(厚生労働省令)が施行され、事業主がパートなどの非正規労働者を雇い入れる際の「労働条件の明示事項」に新たな項目が追加される。
また、厚労省が示すガイドラインも改正され、正社員と非正規労働者との間におけるどのような待遇差が不合理と考えられるのか、新たな具体例が示される。
10月1日から改正パートタイム・有期雇用労働法施行規則(厚生労働省令)が施行され、事業主がパートなどの非正規労働者を雇い入れる際の「労働条件の明示事項」に新たな項目が追加される。
また、厚労省が示すガイドラインも改正され、正社員と非正規労働者との間におけるどのような待遇差が不合理と考えられるのか、新たな具体例が示される。
「同一労働同一賃金」とは「同じ企業で働く正社員とパートタイム・有期雇用労働者などとの間の不合理な待遇差をなくす」という考え方。
パートタイム・有期雇用労働法では、待遇(基本給や各種手当、福利厚生など)について不合理な差を設けることを禁止している。
同法の施行規則では、事業主がパートなどの非正規労働者を雇い入れる際の「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」の4項目を明示することを義務付けている(労働条件明示事項)。
10月からは上記に加えて、「待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる」旨も明示することが必要となる。
この明示義務に違反した場合、事業主は10万円以下の過料の対象となる。
また、事業主は待遇差の理由をただ説明すればよいわけではない。差を設けるには合理的な理由がなければならない。
厚労省は、どのような待遇差が不合理と考えられるのか、その基本的な考え方や具体例を示す「同一労働同一賃金ガイドライン」を公表している。
10月からは同ガイドラインの改正も施行される。新ガイドラインには、賞与、退職手当、無事故手当、家族手当、住宅手当、福利厚生施設、病気休職・休暇、夏季・冬季休暇などについて、不合理な待遇差に当たるかどうかの考え方や具体例が追加・拡充されている。
たとえば、以下のような取り扱いが示されている。
・賞与と退職手当は労務の対価の後払い、功労報償等の性質・目的が含まれる。にもかかわらず、正社員との間の職務の内容等の相違に応じた均衡のとれた内容を支給しない場合、不合理と認められる可能性がある
・正社員と業務の内容が同一の非正規雇用労働者には、無事故手当を支給しなければならない
契約更新を繰り返しているなど、相応に継続的な勤務が見込まれる非正規雇用労働者については、正社員と同じ家族手当を支給しなければならない
・転居を伴う配置変更の有無に応じて支給する制度の場合、正社員と同じように転居を伴う配置変更がある非正規雇用労働者にも、正社員と同じ住宅手当を支給しなければならない
・正社員に付与している夏季休暇や冬季休暇を、非正規雇用労働者にも同様に付与しなければならない
また、非正規雇用の社員と正社員とで待遇の差を設ける要因として、「正社員としての人材の確保・定着」等の目的があったとしても、それだけで直ちに「待遇差が不合理ではない」とは認められない旨も記載された。
10月からは雇用管理指針も改正され、非正規労働者から待遇差について説明を求められた場合の、説明方法も見直される。
事業主には、資料を活用して口頭で説明するか、説明すべき事項をすべて記載した分かりやすい資料を交付するなどの方法で説明することが求められる。
このほか、今回の雇用管理指針の改正では、以下のような対応も示されている。
・職業訓練や教育訓練の機会を提供する際、非正規労働者についても配慮する
・賃金を決定する際、職務の内容や成果などを適切に評価するよう努める
・福利厚生施設などについて、非正規労働者にも利用の機会を与えるよう配慮する
・非正規労働者の意見を聴く機会を設け、意見を反映させるための方法を工夫する
・正社員等への転換制度の内容や転換実績などを、非正規労働者に明示するよう努める
企業としては、まず労働条件通知書などの様式を見直す必要がある。あわせて、手当や休暇などの待遇差を点検し、説明を求められた場合に適切に対応できるよう、説明の手順や資料を整備しておくことが望ましい。
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