ブルブルくんでも、馬でもない…わかさ生活の創業者が"無名のブルーベリー"を広めるために招いた"人気者"(プレジデントオンライン)
51 分前

健康食品メーカー・わかさ生活の創業者、⻆谷建耀知さんは、日本でブルーベリーが今より知られていなかった2000年頃、懸命に売り込んでも興味を持ってもらえなかったという。そんな商品をどうやって広めたのか。⻆谷さんの著書『「変わりたい」けど、「変われない自分」から抜け出すための行動の仕組み化』(アスコム)から、当時のエピソードを紹介する――。
■もはや機能の差では選ばれない
商品の説明をする時、多くの人はbefore → afterで考えます。この商品を使う前はこうで、使った後はこうなりました。確かに、これはわかりやすい説明です。
実際、私もビジネスをする中で何度も使ってきました。しかし、私はそれだけでは人の心は動きにくくなっていると感じています。その理由は単純です。世の中の商品やサービスの機能の差が小さくなってきているからです。
昔は性能が違いました、品質が違いました、便利さが違いました。そのため「こんなに良くなります」という説明で十分に伝わったのです。
ところが今は違います。どの商品も一定以上の品質があり、どの会社も努力しています。そのため、before → afterだけでは差が見えなくなってしまったのです。
例えば健康食品で考えてみましょう。摂取した結果、元気になりました。体調が良くなりました。健康診断の数字が改善しました。もちろん、それは大切なことです。
しかし人が本当に求めているのは、その先にあるものではないでしょうか。
元気になって何をしたいのか。体調が良くなったら誰に会いたいのか。健康になったらどんな人生を送りたいのか。そこに人の感情があります。
■人は商品ではなく「未来」を買う
私はビジネスをする中で、商品そのものではなく、その先の人生を見ることを大切にしてきました。なぜなら、人は商品を買うのではなく、自分の未来を買っているからです。
英語が話せるようになりたい人は、英語を話せるという特技そのものが欲しいわけではありません。海外で活躍したいのかもしれません。外国の人と自由に話したいのかもしれません。自分の可能性を広げたいのかもしれません。
ダイエットしたい人も同じです。体重を減らしたいわけではないかもしれません。自信を取り戻したいのかもしれません。好きな服を着たいのかもしれません。久しぶりに会う友人を驚かせたいのかもしれません。
数字の変化の先には、必ず感情があります。そして人は、その感情に動かされるのです。
これからの時代は、before → afterだけでは足りません。その先にある人生を加えて見ることです。つまり、before → after → lifeまで見ていく必要があると感じています。
人生の中で、人はどんな気持ちになるのか。どんな喜びを感じるのか。どんな未来を思い描くのか。
人は商品やサービスの機能だけでは動きません。「その先にどんな人生が待っているのか」そして、「その人生を生きた時、自分はどんな気持ちになるのか」そこに心を動かされるのです。
だからこそ私は、商品を見る時も、人を見る時も、その先の人生を考えるようにしています。
その商品は、お客さんのどんな人生につながるのだろう。そのサービスは、お客さんのどんな喜びを生み出すのだろう。
そういった問いを持つことが、人の心を動かすものを生みだすための第一歩なのです。
健康食品メーカー・わかさ生活の創業者、⻆谷建耀知さんは、日本でブルーベリーが今より知られていなかった2000年頃、懸命に売り込んでも興味を持ってもらえなかったという。そんな商品をどうやって広めたのか。⻆谷さんの著書『「変わりたい」けど、「変われない自分」から抜け出すための行動の仕組み化』(アスコム)から、当時のエピソードを紹介する――。
■もはや機能の差では選ばれない
商品の説明をする時、多くの人はbefore → afterで考えます。この商品を使う前はこうで、使った後はこうなりました。確かに、これはわかりやすい説明です。
実際、私もビジネスをする中で何度も使ってきました。しかし、私はそれだけでは人の心は動きにくくなっていると感じています。その理由は単純です。世の中の商品やサービスの機能の差が小さくなってきているからです。
昔は性能が違いました、品質が違いました、便利さが違いました。そのため「こんなに良くなります」という説明で十分に伝わったのです。
ところが今は違います。どの商品も一定以上の品質があり、どの会社も努力しています。そのため、before → afterだけでは差が見えなくなってしまったのです。
例えば健康食品で考えてみましょう。摂取した結果、元気になりました。体調が良くなりました。健康診断の数字が改善しました。もちろん、それは大切なことです。
しかし人が本当に求めているのは、その先にあるものではないでしょうか。
元気になって何をしたいのか。体調が良くなったら誰に会いたいのか。健康になったらどんな人生を送りたいのか。そこに人の感情があります。
■人は商品ではなく「未来」を買う
私はビジネスをする中で、商品そのものではなく、その先の人生を見ることを大切にしてきました。なぜなら、人は商品を買うのではなく、自分の未来を買っているからです。
英語が話せるようになりたい人は、英語を話せるという特技そのものが欲しいわけではありません。海外で活躍したいのかもしれません。外国の人と自由に話したいのかもしれません。自分の可能性を広げたいのかもしれません。
ダイエットしたい人も同じです。体重を減らしたいわけではないかもしれません。自信を取り戻したいのかもしれません。好きな服を着たいのかもしれません。久しぶりに会う友人を驚かせたいのかもしれません。
数字の変化の先には、必ず感情があります。そして人は、その感情に動かされるのです。
これからの時代は、before → afterだけでは足りません。その先にある人生を加えて見ることです。つまり、before → after → lifeまで見ていく必要があると感じています。
人生の中で、人はどんな気持ちになるのか。どんな喜びを感じるのか。どんな未来を思い描くのか。
人は商品やサービスの機能だけでは動きません。「その先にどんな人生が待っているのか」そして、「その人生を生きた時、自分はどんな気持ちになるのか」そこに心を動かされるのです。
だからこそ私は、商品を見る時も、人を見る時も、その先の人生を考えるようにしています。
その商品は、お客さんのどんな人生につながるのだろう。そのサービスは、お客さんのどんな喜びを生み出すのだろう。
そういった問いを持つことが、人の心を動かすものを生みだすための第一歩なのです。
■「いいものなのに売れない」の正体
どれだけ価値のあるものでも、人に興味を持ってもらえなければ、広がりません。
「ものはいいのに、全然売れない」
「価値があるのに伝わらない」
そんな経験がある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
私はブルーベリーを世の中に広めようとしていた頃、この壁に何度もぶつかりました。今でこそブルーベリーは広く知られていますが、当時は違いました。ブルーベリーそのものに興味を持っている人がほとんどいなかったのです。
もちろん私はブルーベリーの価値を信じていたので、最初は、その価値を一生懸命伝えようとしましたが、伝わりませんでした。なぜなら、人は興味がないものの話を聞かないからです。
そこで私は考えました。どうすればブルーベリーに興味を持ってもらえるだろうか。そしてたどり着いたのが、原産地であるフィンランドでした。
創業2年目に、私は実際にフィンランドへ行きました。現地でブルーベリーがどのように実っているのかを見て、自然や文化に触れました。カメラとフィルムを大量に持ち込み、ひたすら写真を撮りました。
するとあることに気づいたのです。ブルーベリーだけではない。この国そのものに大きな魅力がある、と。
そこで私は、ブルーベリーを売る前に、まずフィンランドを知ってもらおうと考えました。
■ブルーベリーのためにサンタを招く
ところが、ここでまた壁にぶつかります。当時、日本では「フィンランド」という国自体があまり知られておらず、イメージもありませんでした。
フィンランドの魅力を伝えたい。でも、フィンランドに興味を持っている人は少ない。では、どうするか。私は世界地図をじっと眺めながら考えました。
当時から「欧州」「ヨーロッパ」という言葉は広く知られていました。ヨーロッパにはどこか憧れや魅力を感じており、多くの人が関心を持っていました。特にイギリス、フランスなどを指す「西欧」という言葉に、好意的な印象を持つ人が多くいるように感じました。
ならばフィンランドはどうだろう。地図を見ると、ヨーロッパの一番北にあります。だったら「北欧」という言葉でフィンランドのことを伝えればいいのではないかと思いついたのです。
ブルーベリーよりフィンランド。フィンランドより北欧。人々が興味を持てるところまで価値を広げていったのです。
その後、『だから北欧』『北欧紀行』というテレビ番組も制作しました。お客さんと一緒に北欧視察を行い、展示会を開き、ホームページもつくり、サンタクロースを日本に招いたこともありました。もちろん、私が本当に広めたかったのはブルーベリーです。
私はこの経験から大切なことを学びました。価値を届けるためには、その価値を世間の興味とつながるところまで広げなければならない、ということです。
■「伝えたいこと」と「伝わること」
多くの人は、自分が伝えたいことをそのまま伝えようとします。しかし相手は、自分が興味のあることしか見ないし、聞きません。
例えば、商品に関わっている人は、機能や性能について詳しくなります。開発で苦労した部分も知っていますし、どこが優れているのかもわかっているため、ついその話をしたくなります。
もちろんそういったものが、ほかのものとの差別化になったり、ストーリーになったりするのですが、お客さんが知りたいのは、そこだけではありません。
例えば掃除機を買う人は、使われているモーターの性能を知りたいわけではありません。「掃除が楽になるのか」「短時間できれいになるのか」「腰をかがめなくて済むのか」そんなことに興味があります。
つまり、人は商品そのものに興味があるのではなく、自分にどんな変化が起きるのかに興味があるのです。
伝えたいことと、相手が聞きたいことは違う。
ここを間違えると、どれだけ価値があっても届きません。大切なのは、自分が何を言いたいかではありません。相手は今、何に関心を持っているのか。どこなら耳を傾けてくれるのか。そこを考えることです。
■価値と興味が交わるところを探す
人は機能ではなく、その先にある人生や感情に心を動かされると前述しました。しかし、その感情にたどり着くためには入り口が必要です。そして、入り口となるものが、世間の興味なのです。
ビジネスとは、その入り口を探すことでもあると考えています。
良い商品だから売れるわけでも、良い企画だから採用されるわけでもない。世間の興味とつながった時、はじめて価値は広がっていくのです。
そのため、私は、新しい商品や企画を考える時ほど、自分のことより相手のことを考えます。
世の中は今、何に興味を持ち、何に心を動かされているのだろう。そして、自分が伝えたい価値はどこでその興味と交わるのだろう。
その問いを持つことが、価値を届けるためには大切です。
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⻆谷 建耀知(かくたに・けんいち)
株式会社わかさ生活 創業者・代表取締役社長
1961年、兵庫県丹波市生まれ。福知山商業高校(現・福知山成美高校)卒業後、東海大学に入学するも、18歳の時に脳腫瘍の手術を受けることとなり、大学を中退。右目の視野を失う。1998年、36歳で「株式会社わかさ生活」を創業。「独自のマーケティング理論」で売上を伸ばし、7年目で100億円企業に。『すべての答えは個客の中にある』(アスコム)など著作多数。
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