早朝にスキルアップ、午後はゆったり。リタイア後は村上春樹のライフスタイルが参考になる (滝川徹 時短コンサルタント)(シェアーズカフェ・オンライン)
47 分前

「大きな目標達成には時間がかかる」。これは本来、至極当たり前のことでしょう。しかし、楽にできるノウハウやタイパ重視の考え方が蔓延する現代において、つい忘れられがちな事実でもあります。
時短コンサルタントの滝川徹氏は、この事実を前提とした上で、充実した人生を送るには、身につけるべきスキルを見極め、しっかりと時間をかけて習得する必要があると説きます。一方、そこに時間と努力を「オールイン」するのではなく、たった1日30分を続けることで、人生のバランスを取りながら、無理なく地道にスキル習得を続けられるといいます。この超現実的な目標達成法、「10年思考」とは?
スキルに時間を投資するために、具体的にどうやって予定・計画し、実行していくか。この記事では、それをイメージできるよう、晩年期のライフスタイルを計画する過程について、『10年思考でうまくいく――自己投資を実現するスキル戦略』(滝川徹・パンローリング株式会社)から再編集してお届けします。
晩年期では大きく言って、ライフスタイルは2つに分かれる。その違いをもたらすのは、会社に勤めているかどうかだ。
これまでは60歳前後で退職しリタイア、というのが一般的だった。人生100年時代と言われるこれからは、働ける限り働き続ける人も増えるだろう。ということで、ここでは会社に勤務する場合と、そうでない場合の2パターンで、実行計画の作り方を紹介していく。
まずは会社に勤める場合を見ていこう。
●実行のポイント(リタイア前)
晩年期で会社に勤めている場合、基本的には中年期(40代前半から60代前半)とライフスタイルは大きく変わらない。次の3ステップで進めていく。
ステップ(1)翌日の起床時間と予定を書き出す
ステップ(2)移動時間や生活に使う時間を書く
ステップ(3)残った自由時間をどう過ごすか書く
まず最初に翌日起きる時間を決め、予定とともに書き出す。ここで言う予定とは、仕事・働く時間、飲み会などの予定があれば、それらも記載する。図1左のイメージだ。
晩年期にバリバリ仕事をする人は少数だろう。ということで、残業ゼロの前提で仕事の予定を記載した。会食などがあれば、それらの予定も記載する。ここまでがステップ(1)だ。
次のステップ(2)では、移動時間と生活に使う時間を追記する。それが図1右のイメージだ。
自宅と職場の移動時間は1時間としている。そのほかに、起床してから家を出るまでの準備の時間、風呂や食事の時間も反映している。ここまでがステップ(2)だ。
次のステップ(3)では、残された時間をどう活用するかを考えていく。図2のようなイメージになる。
太枠の時間帯が自由に使える時間で、これらをどう使うかを考える。
仕事をはじめる前の朝イチの時間(6時30分〜8時)は、スキルに投資する時間にあてる。昼休みの時間も余裕があればスキルに投資する。
会社の仕事の合間に別のことをするのは頭が簡単に切りかわらず、思ったより大変だ。慣れないうちは無理せず、30分をスキルに投資し、残りの30分は食事や休憩にあてるなど、余裕を持った計画にしよう。
仕事を終えた後は1時間の運動を予定している。風呂に入ってから運動する人は少ないだろうから、見てわかる通り、順番を入れ替えている。
20時以降は自由時間としている。この時間をスキルに投資する時間にあててもよいが、ほとんどの人は疲れきっているだろうから、のんびり過ごすことをオススメする。ここでムリをすると、翌日ふたたび取り組むときに意欲が低下するからだ。
大切なのは、コンスタントに努力を続けること。ムリをせず、心身ともに余裕があれば音楽を聴いたり、本を読んだりと好きなことをして過ごそう。
晩年期は時間に余裕があるので、睡眠時間もしっかりとろう。図2では8時間寝るために、22時に就寝としている。晩年期になると長い時間寝れなくなるという話も聞く。その場合は早起きした分、スキルに投資する時間にあてるといい。
では続いて、リタイアしている場合、どのように実行計画を立てるか。説明していこう。
はじめに、私の理想とする晩年期の過ごし方を紹介したい。村上春樹氏のライフスタイルだ。とても参考になるので『走ることについて語るときに僕の語ること』(文藝春秋)から引用する。
『一日のうちでいちばんうまく活動できる時間帯というのは、人によってもちろん違うはずだが、僕の場合のそれは早朝の数時間である。その時間にエネルギーを集中して大事な仕事を終えてしまう。そのあとの時間で運動をしたり、雑用をこなしたり、あまり集中を必要としない仕事を片づけていく。日が暮れたらのんびりして、もう仕事はしない。本を読んだり、音楽を聴いたり、リラックスして、なるべく早いうちに寝てしまう』
夜のほうが頭が冴える、という夜型の人を除き、晩年期はこの過ごし方を基本指針とするとよいだろう。簡単に言うと、重要なこと=スキルに投資する時間は午前中にやってしまう。それ以降は好きに過ごす、ということだ。
この指針をふまえ、ステップ(1)〜(3)を活用して、実行計画のイメージを見ていこう。
まずは起床時間と決まっている予定を書き出す。次ページ図3左のようなイメージだ。
ここでは6時に起床し、13時から友人とランチの予定を入れている。夜にディナーの予定があるときは、それも書き出す。ここまでがステップ(1)。
続いてステップ(2)では、生活に使う時間と移動時間を追記する。図3右のイメージだ。6時に起床し、30分は身支度や朝食の時間などとする。ランチへの外出に1時間の移動時間とした。16時30分から自由時間だ。風呂と食事の時間は、ひとまず仮で20時とする。ここまでがステップ(2)だ。
続けてステップ(3)、残りの時間の使い方を決めていく。図4のイメージになる。
太枠の時間帯が自由に使える時間で、この時間をどう使うかを検討する。
朝イチの時間は、スキルの時間に投資する。村上春樹氏は朝4〜5時間執筆すると言うが、同じようにする必要はない。図4では、6時30分から2時間をスキル投資の時間とした。慣れていない人は1時間からはじめてもよい。ムリなく取り組める時間を設定するのがポイントだ。
図4では、そのあと運動の時間にしている。ジムなどに行く想定で、移動・着替え・シャワーなどの時間も含めた2時間。その後ランチへの移動までの時間は読書の時間としている。
友人とランチ後は家に帰る前に本屋・図書館に寄っているが、ここは完全に自由時間だ。時間はたくさんあるので、好きなことをして過ごそう。
スキルに時間を投資してもよいが、夕方以降は疲れているので、あまりオススメしない。村上春樹スタイルで、のんびり好きなことをして過ごすことをオススメする。そのほうが翌日意欲高くスキルに取り組むことができるはずだ。
滝川徹 時短コンサルタント
1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒。国内トップの大手金融機関で毎日定時に帰る現役会社員。著書『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法』(日本実業出版社)、『気持ちが楽になる働き方』(金風舎)のほか、『細分化して片付ける30分仕事術』(パンローリング)は台湾で翻訳出版された。
長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に自身が所属する組織の残業を削減した取り組みで全国表彰、2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。その後は順天堂大学や創業手帳株式会社での講演・研修をはじめ、時間管理をテーマに講師として活動。国内最大級のスキルシェアプラットフォーム「ストアカ」の上位2%のトップ講師に選出される。Yahoo! ニュースへの執筆や、YouTubeで動画配信など幅広く活動中。
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