新型リーフ「オープンリリーフカー」公式魔改造の舞台裏!(週プレNEWS)
41 分前

日産が自らの手で、新型リーフのオープンカーを造った。その正体は、横浜ベイスターズの投手をマウンドへ送り届けるリリーフカー。しかも製作には、整備士を目指す学生たちも参加。市販車とはまるで違うEVは、いったいどんな仕上がりなのか!? 週プレ自動車班が現地取材した!!
【球団が選んだのは「一番派手なヤツ」】
やったぜ、日産!
世界初の量産型EV(電気自動車)として知られるリーフ。その3代目となる新型リーフが、なんとオープンカーになった。しかも、ただのコンセプトカーではない。横浜スタジアムで実際に走るリリーフカーだ。
日産は長年、横浜スタジアムを走るリリーフカーのベース車を提供してきたが、今回はひと味違う。日産が自らデザインや改造なども担当したというのだ。
神奈川県厚木市にあるNTC(日産テクニカルセンター)の技術開発本部・試作部が市販車のルーフやドアに手を入れ、文字どおり自分たちの手で屋根をぶった切った。これはもう日産による〝公式魔改造〟だ。
というわけで9月9日、週プレ自動車班は横浜スタジアムへ向かった。最寄りのJR関内駅から歩くこと数分。空はどんよりと曇り、猛烈な蒸し暑さが全身にまとわりついてくる。湿気を含んだ空気が、やけに重い。前日、関東・東海地方を襲った記録的な大雨の影響だ。各地で被害も発生していた。
「晴れ男の自負があるんですが、年々、効力が薄くなって。でも、今日はどうにかなりましたね。屋根がないクルマなので雨だと......」
そう笑う日産関係者の視線の先に、ターコイズブルーの新型リリーフカーが現れた。屋根はない。実に開放的だ。ベースは2026年1月に発売された3代目リーフ。ホーム用とビジター用の2台が製作された。
今回、報道陣に披露されたのはホーム用。後部座席には横浜DeNAベイスターズの象徴である星をイメージしたシートがバーン!
驚いたのは、その開発スピード。市販車の新型リーフも担当している足立浩哉氏(車両計画・車両要素技術開発本部 車両・商品戦略企画部 車両&プラットフォーム計画グループ主担)はこう語る。
「デザイナーと製作担当者が密接に関わることで、デザイン決定から形になるまで1ヵ月半~約2ヵ月と、かなり短い期間で開発できました。内装は、どういった形やレイアウトなら前席を含めたスペースを確保できるか、これまでのリリーフカーを研究しながら造りました」
日産が自らの手で、新型リーフのオープンカーを造った。その正体は、横浜ベイスターズの投手をマウンドへ送り届けるリリーフカー。しかも製作には、整備士を目指す学生たちも参加。市販車とはまるで違うEVは、いったいどんな仕上がりなのか!? 週プレ自動車班が現地取材した!!
【球団が選んだのは「一番派手なヤツ」】
やったぜ、日産!
世界初の量産型EV(電気自動車)として知られるリーフ。その3代目となる新型リーフが、なんとオープンカーになった。しかも、ただのコンセプトカーではない。横浜スタジアムで実際に走るリリーフカーだ。
日産は長年、横浜スタジアムを走るリリーフカーのベース車を提供してきたが、今回はひと味違う。日産が自らデザインや改造なども担当したというのだ。
神奈川県厚木市にあるNTC(日産テクニカルセンター)の技術開発本部・試作部が市販車のルーフやドアに手を入れ、文字どおり自分たちの手で屋根をぶった切った。これはもう日産による〝公式魔改造〟だ。
というわけで9月9日、週プレ自動車班は横浜スタジアムへ向かった。最寄りのJR関内駅から歩くこと数分。空はどんよりと曇り、猛烈な蒸し暑さが全身にまとわりついてくる。湿気を含んだ空気が、やけに重い。前日、関東・東海地方を襲った記録的な大雨の影響だ。各地で被害も発生していた。
「晴れ男の自負があるんですが、年々、効力が薄くなって。でも、今日はどうにかなりましたね。屋根がないクルマなので雨だと......」
そう笑う日産関係者の視線の先に、ターコイズブルーの新型リリーフカーが現れた。屋根はない。実に開放的だ。ベースは2026年1月に発売された3代目リーフ。ホーム用とビジター用の2台が製作された。
今回、報道陣に披露されたのはホーム用。後部座席には横浜DeNAベイスターズの象徴である星をイメージしたシートがバーン!
驚いたのは、その開発スピード。市販車の新型リーフも担当している足立浩哉氏(車両計画・車両要素技術開発本部 車両・商品戦略企画部 車両&プラットフォーム計画グループ主担)はこう語る。
「デザイナーと製作担当者が密接に関わることで、デザイン決定から形になるまで1ヵ月半~約2ヵ月と、かなり短い期間で開発できました。内装は、どういった形やレイアウトなら前席を含めたスペースを確保できるか、これまでのリリーフカーを研究しながら造りました」
デザインを担当した長谷川聖氏(グローバルデザイン本部 第二プロダクトデザイン部)はこんな秘話を明かす。
「デザインで気を使ったのは、スタンドから見て観客の期待感をグッと集中させることですね」
日産はデザイン4案をベイスターズ側に提示した。その中から選ばれたのは、最もド派手な案だったという。
【未来の整備士も〝公式魔改造〟に参戦!】
実車製作の現場には、もうひとつ仕掛けがあった。全国に5校展開する日産自動車大学校の学生たちの参加だ。各校からふたりずつ、計10人が厚木のNTCに集結。
ルーフやドアをカットした後の処理や磨き、カラーリングなど、細かな作業を担当。シート製作だけは協力会社が担ったが、それ以外は基本的に日産社内で製作されたという。
日産の国内マーケティング&セールス執行職の杉本全氏は舞台裏を語る。
「学生のみんなは、リリーフカーに触れるなんて想像もしていなかったので、とても喜んでいました。整備士を目指している学生にとって、本当に良い機会をいただいたと思っています」
設計を担当した佐藤信秋氏(車両生産技術開発本部 新車生産準備技術センター 試作検証課)も学生たちの仕事ぶりをこう振り返る。
「学生たちはみんな優秀で、言うことは素直に聞いてくれるし、手先も器用ですごく助かりました」
もちろん、ただ新型リーフの屋根をぶった切っただけのクルマではない。リリーフカーは、勝敗を左右する選手をマウンドへ運ぶ、いわば〝働く勝負カー〟でもある。だから、スタジアムならではの使い勝手が徹底されている。
まず、市販車にあるセンターコンソールを撤去。助手席側の床もフラット化し、選手がスムーズに乗り降りできるようにした。乗降用ステップの高さも、野球用スパイクを履いた状態での動線を考慮して設定。さらに、スタンドから見たときに投手の表情がしっかり見えるよう、シートの座面の高さまで調整している。
リリーフカーには長い歴史がある。横浜スタジアムでは1970年代から日産車ベースのリリーフカーが使われてきた。ブルーバード、Be-1、エスカルゴなど、個性的な日産の名車たちが、長年にわたりマウンドへ向かう投手を運んできた。
2017年シーズンからは初代リーフ、2018年シーズンからは2代目リーフがベース車両として採用され、今回ついに3代目へとバトンタッチされた。
この日、車両のお披露目とともに写真撮影、記者会見に臨んだベイスターズの相川亮二監督、筒香嘉智(よしとも)内野手、伊勢大夢投手。3人とも、まだEV運転の経験はないという。だが、静かで力強いEVへの興味は十分で、リリーフ投手の伊勢投手は、こんなコメントを口にした。
「ボディの色も変わって、乗り心地も良くなっていると感じました。リリーフ陣全員で、新しい気持ちで臨みたいです」
週プレ自動車班は、屋根のない新型リーフを見つめ、ひとつの妄想を抱いた。例えば観光地。例えば大型ショッピングモール。
例えばテーマパーク。屋根を開け放ったリーフが、人を乗せてゆっくりゆっくり走る。今回のオープンカーは野球場だけで終わらせるには、正直言ってチト惜しい気がするのだ。
やっちゃえ、日産!!
取材・文・撮影/週プレ自動車班 撮影/山本佳吾
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