【ガチ比較】キックス・ヴェゼル・カローラクロス…… 国産人気SUVを乗り比べてわかった「本当の買い」(WEB CARTOP)
56 分前

6月に登場した2代目キックスの出足が好調だ。グローバル発表から遅れて約2年弱、満を持してプラットフォームを刷新し、第3世代のe-Powerを搭載した新型は、8月の時点で受注台数が1万1388台を記録。そのうち86%が「G」及び「X」という上位グレードを占め、予想以上に好調な滑り出しを見せている。
とはいえ、その8割弱は既存の日産車オーナーによる「買い替え」であり、今後の日産が狙うのは他社からの乗り替えだ。ということで、今回は新型キックスをライバルたちと直接走り比べてみた。
主役となるキックスのグレードは、もっとも標準的な「X」。駆動方式はリヤもモーター駆動する「e-4ORCE」だ。
一般道を走らせた印象は、今回のなかでキックスがもっともEV的だ。そして乗り心地を含めた動的バランスもBセグ・コンパクトSUVとして非常にレベルが高い。
その理由はまず、100%モーター駆動となるシリーズハイブリッドの制御が挙げられる。滑らかな出足にもかかわらず、アクセルレスポンスにメリハリがあるのは、トルクの出し方が抜群にうまいからだ。 そこには主要コンポーネンツをコンパクトに一体化した、「5 in 1」モジュールの高剛性ぶりも効いている。各部の共振を抑えたことで出力時の雑味が減り、よりリニアにモーターのレスポンスを感じ取れるようになった。
6月に登場した2代目キックスの出足が好調だ。グローバル発表から遅れて約2年弱、満を持してプラットフォームを刷新し、第3世代のe-Powerを搭載した新型は、8月の時点で受注台数が1万1388台を記録。そのうち86%が「G」及び「X」という上位グレードを占め、予想以上に好調な滑り出しを見せている。
とはいえ、その8割弱は既存の日産車オーナーによる「買い替え」であり、今後の日産が狙うのは他社からの乗り替えだ。ということで、今回は新型キックスをライバルたちと直接走り比べてみた。
主役となるキックスのグレードは、もっとも標準的な「X」。駆動方式はリヤもモーター駆動する「e-4ORCE」だ。
一般道を走らせた印象は、今回のなかでキックスがもっともEV的だ。そして乗り心地を含めた動的バランスもBセグ・コンパクトSUVとして非常にレベルが高い。
その理由はまず、100%モーター駆動となるシリーズハイブリッドの制御が挙げられる。滑らかな出足にもかかわらず、アクセルレスポンスにメリハリがあるのは、トルクの出し方が抜群にうまいからだ。 そこには主要コンポーネンツをコンパクトに一体化した、「5 in 1」モジュールの高剛性ぶりも効いている。各部の共振を抑えたことで出力時の雑味が減り、よりリニアにモーターのレスポンスを感じ取れるようになった。
また今回一番排気量が小さい1.4リッター直列3気筒エンジン(106馬力)は、発電機に徹することで静粛性と効率を高めた。音質自体に味気なさは残るものの、音量自体は低め。路面状況を読みながらエンジンをまわす工夫も行うから、車内は静かだ。
そしてスポーティに走らせれば、143馬力のシステム出力をe-4ORCEの4輪制御がじつに巧みに裁き切る。駆動時に旋回性を高めるだけでなく、回生時の姿勢制御も行うことで、しなやかな足まわりでもスタビリティが確保されているのはお見事。17インチのエアボリュームも心地良く、快適にそのハンドリングを楽しめた。
ちなみに燃費は街中なかで20.7km/Lをマーク。ただエンジン直結モードがない影響は大きく、100km/h巡航主体の高速燃費は17.5km/Lと今回一番低かった。
キックスを基準として見たヴェゼルは、ホンダらしいスポーティさが際立っていた。試乗車が18インチタイヤを装着したFWDということもあるが、その乗り味はシャキッと頼もしく、カーブでは70kgほど軽いボディの俊敏さが体感できる。デビュー当時にBセグメントSUVとしてかなり大柄だったボディはいまやキックスに追いつかれてしまったが、後席の居住性は、いまだ一番よかった。
そして何より燃費がいい。峠道を含む一般道は24.4km/Lをマークして断然のトップ。高速燃費も20.7km/Lと1位タイだ。その秘訣は、やや硬めな足まわりとタイヤがもたらすエネルギーロスの少なさと、高速巡航時における直結モードのおかげだろう。
アクセル開度に協調させた直列4気筒エンジンの吹き上がりも気持ちよい。初期減衰力が高めなダンパーはGが高まるにつれ柔軟になり、131馬力のシステム出力をまるっと受け止めたうえで、挙動に一体感を生み出してくれる。それは燃費にも走りにも妥協しないという、熱血エンジニアの顔が見えてくるような走りっぷりだった。
コンパクトSUV界で圧倒的な売れ行きを誇るカローラクロス。イレギュラーだが今回は「GR SPORT」が選抜された。クロストレックと並んでCセグメントのボディ、そして2リッターの排気量を持つ直列4気筒ハイブリッドの走りは、システム出力も199馬力と、やはり一段パワフルだ。標準モデルより10mm以上低く仕立てられた足まわりは、ブッシュを含めてスポーティ仕立てだが、ヴェゼルよりもどっしりコシのある印象だ。
「E-Four」の制御はキックスほど明確に後輪をまわし込まないが、カーブでの挙動には安定感がある。ただし、さすがはカローラ、そしてGRと思わせるシャシーの落ち着きに比べ、最大熱効率40%を謳うエンジンの質感はバサバサとしており、そのギャップが激しい。
しかし、だからこそ2リッターエンジンでも燃費は素晴らしく、街なかで20.9km/L、高速巡航でも20.7km/Lを記録。将来的に、もしRAV4 PHEVのような高剛性エンジンブロックが投入されたら、本当に隙がなくなりそうだ。
しんがりのクロストレック S:HEVは、「小さな高級車」だ。フォレスターと同じ2.5リッターの水平対向4気筒を軸としたS:HEVのシステム出力は未公表だが、おそらくカローラクロスとほぼ同等で力強い。またプロペラシャフトで後輪を駆動する4WDは、タフなだけでなく前後の重量バランスもいい。そして、この性能を単なる速さではなく、質感に使っているのがいかにもスバルらしい。
悪路走破性をも踏まえた足まわりはストロークフルでソフトだが、前述したボディバランスのよさから操縦感が自然だ。そして同じハイブリッドでも、EV走行率がカローラクロスより高く感じた。その燃費は一般道/高速ともに18.0km/Lと最下位だったが、1660kgの重量を考えれば上出来。そのぶん動的質感と本格4WD車としての性能が担保されている。
総じてキックスだが、EV的な快適さのみならず、走りの質感も格上に迫る内容を得ていた。高速燃費は確かにイマイチだが、総合力ではかなりコスパが高い選択になると感じた。
※本記事は雑誌「CARトップ2026年10月号」の記事を再構成して掲載しています
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